行政書士試験の合格率と傾向分析

 平成12年度以降の行政書士試験の合格率の推移と、各年度の傾向を分析するページです。行政書士の過去問の難易度を分析される際に参考になさってみてください。


一、行政書士試験の傾向総論

 行政書士試験は少しずつ難化を続けていますが、そのなかでも大きな傾向変化が起こったのが、平成12年と平成18年の試験改正です。この両者について意識しておくことは行政書士試験受験生にとって必須といえるでしょう。


1.平成12年度行政書士試験改正について

 まず平成12年度行政書士試験から試験委員が学者に変更になり、形式も変わったことは意識する必要があります。平成11年度行政書士試験までは、択一式と時事問題などの論述式問題からなっていました。これに対して、平成12年度行政書士試験からは、択一式と法令の記述式に変わっています。
 そして、択一式問題も、これを境に大きく変化しました。行政書士試験の過去問を検討する際も、このことは必ず念頭に置きましょう。平成11年度行政書士試験までは、比較的易しい問題が、しかも繰り返し出題される傾向が強かったのです。ですから、択一式の対策は「行政書士の過去問だけを繰り返しやればよい」と言われました。その分、時事問題などが出題される論述式で合否の明暗が分かれることも多く、行政書士試験対策としては論述の学習にウエイトを置く必要もありました。
 それに対して、平成12年度行政書士試験以降は、よりレベルアップした問題が出題されるようになりました。そのため、行政書士の過去問の繰り返しだけでは対応が難しくなっています。基礎からしっかり理解をして、応用力も身につけるといった対策をとらないと、行政書士試験合格は難しいといえるでしょう。


2.平成18年度行政書士試験改正について

 そして注目しなければならない最近の動きが、平成18年度行政書士試験改正です。総務省が発表した『(試験)改正の考え方』においては、行政書士試験の法令科目について、「理解力、思考力等の法律的素養」を重視することが打ち出されています。実際、平成18年度行政書士試験では、試験科目の変更の他、記述式が40字程度になり、また多肢選択式が採用されるなど、形式面が大きく変更されました。
 行政書士試験のレベルについては、18年改正前の試験と大きな変更はありませんでしたが、今後は少しずつハイレベルになることも考えられます。要注意といえるでしょう。
 行政書士は今後、さまざまな場面への業務の拡大に向けての動きが予想されますので、行政書士試験の問題も次第に難化することが予想されます。行政書士試験受験生としては、それにあわせたきちんとした対策をとることが重要です。行政書士が「比較的容易にとれる資格」といわれた時代は終わったといえるでしょう。的確な対策をとって、短期の行政書士試験合格を目指しましょう。


二、各年度行政書士試験における結果・合格率の推移

申込者数 受験者数 合格者数 合格率
平成6年度 46,318 39,781 1,806 4.54%
平成7年度 46,290 39,438 3,681 9.33%
平成8年度 43,267 36,655 2,240 6.11%
平成9年度 39,746 33,957 2,902 8.55%
平成10年度 39,291 33,408 1,956 5.85%
平成11年度 40,208 34,742 1,489 4.29%
平成12年度 51,919 44,446 3,558 8.01%
平成13年度 71,366 61,065 6,691 10.96%
平成14年度 78,826 67,040 12,894 19.23%
平成15年度 96,042 81,242 2,345 2.89%
平成16年度 93,923 78,683 4,196 5.33%
平成17年度 89,276 74,762 1,961 2.62%
平成18年度 88,163 70,713 3,385 4.79%
平成19年度 81,710 65,157 5,631 8.64%
平成20年度 79,590 63,907 4,133 6.47%
平成21年度 83,819 67,348 6,095 9.05%
平成22年度 88,651 70,586 4,662 6.60%
平成23年度 83,543 66,297 5,337 8.05%
平成24年度 75,807 59,948 5,508 9.19%
平成25年度 70,896 55,434 5,597 10.10%
平成26年度 62,172 48,869 4,043 8.27%

三、近時の行政書士試験の傾向と講評

 次に、平成13年度以降の行政書士試験について、個々の年度別に傾向を分析し講評します。年によって分野や科目に難易度の変動が生じていることがよくわかると思います。当塾が、なるべく不得意分野を作らずに「どこからでも得点できる」ようにすることが行政書士試験合格の近道であると主張するのも、こうした理由に基づきます。

平成13年度行政書士試験の傾向(合格率10.96%)

 難問・奇問が数問出題されましたので、一般の受験生は苦戦されたようです。ただ、きちんと行政書士試験の難化傾向に対処していれば十分合格できる問題でしたので、当塾通信講座の受講生は多くが合格し、合格ラッシュにわきました。
 結果的に合格率は10%を超えましたが、これは没問があったために全員にその分の得点が与えられた結果、少し数字が上昇したものと思われます。

平成14年度行政書士試験の傾向(合格率19.23%)

 法令・一般教養とも、比較的得点しやすい問題が多かったといえるでしょう。特に、記述式が得点しやすく、多くの方が記述で満点近くとれたことが合格率を引き上げました。さらに、没問があったために全員にその分の得点が与えられたことも、合格率をさらに引き上げました。当塾通信講座でも、ほとんどの方が合格されたという印象でした。

平成15年度行政書士試験の傾向(合格率2.89%)

 まず法令は、かなり細かい問題も問われており、受験生の多くが対応に苦慮されたのではないかと思われます。特に地方自治法の難化が目立ちますが、その他の科目でも、例えば行政法の分野で各法令の横断的理解が問われるなど、レベルの高い対策が要求されているといえるでしょう。こうした点については、一歩突っ込んだ学習が行政書士試験対策としても必要と言えます。
 次に一般教養も、やや細かい出題が多く、苦戦された方が多かったようです。財政やITなど突っ込んで学習する分野を設けて強化する必要があるといえるでしょう。
 法令が難しかったため多くの予備校がほとんど合格者を出せない中、当塾通信講座の受講生は健闘してくれました。ただ、やはり例年に比べると合格者は少ない年でした。

平成16年度行政書士試験の傾向(合格率5.33%)

 まず法令は比較的平易でした。行政書士試験の試験委員が変更したことの現れか、地方自治法や商法の難化傾向も一服した感があります。きちんとした行政書士試験の難化対策をとっていれば、十分得点できた問題だったといえるでしょう。ただ、憲法に推論問題も見られるなど、応用力を問いたいという意欲も見られます。また記述式も、それなりの対策は必要な問題といえます。
 さらに、問題の配分が若干変更され、民法や商法のウエイトが高まっていることは、今後の対策を立てる上で重要と言えるでしょう。
 次に一般教養ですが、こちらは苦戦した方が多かったようです。試験委員が変更したこともあって、やや傾向が変化しました。ただ、国語できちんと得点することと、理数が得点できれば大きいこと、そして、政経時事については、出題が予想される分野について、それなりに突っ込んだ学習をすることが重要であるという基本線は変わっていません。今後もこうしたことを念頭に、地道に取り組んでいく必要があるといえるでしょう。
 合格率も5%台と厳しい中、当塾通信講座の受講生は、熱心に受講された方の約半数が合格されました。

平成17年度行政書士試験の傾向(合格率2.62%)

 前年の行政書士試験では、法令が易しく一般教養が難しかったため、一般教養の基準点に達しないために不合格になる方が多かったという、いびつな結果となりましたので、この年は法令が難しくなることが予想されましたが、まさに予想通りの展開となりました。
 法令では、平成18年からの行政書士試験改正を意識したと思われる出題もみられ(問4等)、また記述式でも、「明白かつ現在の危険」が問われるなど、レベルアップした出題もみられました。平成18年度行政書士試験からは、さらにレベルアップする可能性もありますので、しっかり対策を講ずる必要があります。
 それに対して一般教養は、前年に比べても得点しやすいものとなりました。
 法令の難易度が上がったことから、合格率は2%台と非常に厳しいものとなりましたが、当塾通信講座の受講生は前年同様、熱心に受講された方の約半数が合格されました。ただ、例年に比べると、100点以上等の高得点での合格者が減少しており、主要科目に新たに「法解釈編」を設けるなど、対策を講じて参ります。

平成18年度行政書士試験の傾向(合格率4.79%)

 平成18年度から行政書士試験が大きく変わりましたので注目の試験となりましたが、全体的な傾向としてはこれまでの傾向を踏襲したものとなりました。これまで通り、一歩踏み込んだ学習をする(ただし司法試験レベルなどに踏み込みすぎない)というスタンスで学習されれば合格ラインに達すると思われます。ただ、憲法や情報公開法(行政法の応用)などで応用的な問題が出題されるなど、今後の一層の難化をうかがわせる出題もみられました。当塾通信講座でいうと法解釈編レベルの議論にも少し目を通しておくことで、こうした問題が増加した場合にも対応できると思われます。
 一般知識等では、個人情報保護関連の出題が多く見られましたが、政治・経済の基礎を問う問題や行政改革関連の問題もこれまで通り出題されています。今後、個人情報保護関連の出題数がどうなるかはわかりませんが、バランス良く学習することで、基準点は確保できると思います。
 本年も合格率は5%を切る厳しいものとなりましたが、当塾通信講座の受講生からは本年も多くの合格者が誕生し、掲示板やメールで多くの合格報告を受けました。ただ、司法試験や司法書士の講座にまで手を拡げすぎて失敗される方も見受けられました。当塾の通信講座でいう本論編レベルをまずはしっかりマスターするよう心がけていただければと思います。

平成19年度行政書士試験の傾向(合格率8.64%)

 まず、法令・択一式についてはレベルとしてはそれほど難しいものではありませんでしたが、民法において学説問題が出題されました。今後はこうした学説問題が次第に増加する可能性がありますが、当塾通信講座では18年度向け合格点突破講座からすでに学説問題対策として「法解釈編」を設けており、さらに学説問題が増加しても十分対応できると思われます。
 法令・記述式については、特に民法でやや細かい出題がなされ、一般の受験生の多くが苦しんだようです。ただ、当塾通信講座のテキスト・講義では、いずれも触れられている事項であり、テキストの記述を書けばよいものでした。「やや深いところまで正確に理解し記憶する」という学習方針でいけば十分正解できる問題といえるでしょう。
 一般知識等では、行政手続オンライン化法や公的個人認証法についてやや突っ込んだ出題が見られましたが、政治・経済の基礎を問う問題や行政改革関連の問題もこれまで通り出題されています。今後も、電子政府・個人情報保護関連と、オーソドックスな政経・行政改革関連の知識をバランス良く学習することで、基準点は確保できると思います。
 記述式で苦戦した人もいる一方で、他の分野は比較的得点しやすい問題でしたので、合格率は高くなりました。当塾通信講座の受講生からも多くの合格者が誕生し、掲示板やメールで多くの合格報告を受けました。

平成20年度行政書士試験の傾向(合格率6.47%)

 まず、法令・択一式については、基礎知識をもとに現場で推論させる問題が憲法や行政法などで増加しました。また、憲法で「パターナリスティックな制約」が出題されたり、地方自治法において「一日校長事件」などの判例が問われるなど、従来よりもややハイレベルな出題もみられました。「パターナリスティックな制約」や「一日校長事件」については、当塾通信講座では法解釈編で教えていた知識で、今後ともこうした法解釈編からの出題が次第に増えてくる可能性があると考えられます。他方で、民法等につきましては、例年のレベルを超えるものではありませんでしたので、この辺りで確実に得点できたかは一つのポイントになったと思われます。
 法令・記述式については、基本的で易しい出題でした。当塾通信講座の記述問題集も1問的中しており、他の問題も当塾通信講座のテキスト・講義をマスターしていれば比較的容易に解答できたものと思われます。
 一般知識等は、ここ数年の傾向通り、政治・経済の基礎を問う問題と情報保護関連の問題が組み合わせて出題されています。当塾通信講座では情報保護関連や行革関連を教えることはもちろん、多くの予備校が簡略化し始めているオーソドックスな政経の基礎もしっかり教えておりますので、当塾通信教育を十分こなしていれば、情報保護関連のいくつかの問題の他、社会契約説等に関する問題や、社会保障に関する問題、循環型社会に関する問題などもしっかり得点できたと思われます。今後も、電子政府・個人情報保護関連と、オーソドックスな政経・行政改革関連の知識をバランス良く学習することで、基準点は確保できると思います。
 法令択一式の推論問題で苦戦した人も多いと思われますが、他方で、記述式等は得点しやすい問題でしたので、合格率は6%となりました。当塾通信講座の受講生からも多くの合格者が誕生し、掲示板やメールで多くの合格報告を受けました。

平成21年度行政書士試験の傾向(合格率9.05%)

 まず、法令・択一式については、憲法・行政法・地方自治法といった公法系科目に平易な問題が多く、私法系科目の難易度が少し高かったものの、法令択一式全体としては得点の稼ぎどころとなりました。多肢選択式も2問は平易だったものの、1問は、要件裁量・効果裁量・判断過程審査という、当塾通信講座では法解釈編で扱っている内容からの出題でした。このように、本年も法解釈編レベルの出題も続いていると言えますが、全般的には平易で、当塾通信講座の受講生のなかでは、択一式・多肢選択式のみで合格点(180点)を超えた者も相当数いました。
 法令・記述式については、信用保証に関する問題の難易度が高かったですが、あとの2問はある程度書けて欲しい問題といえます。
 一般知識等については、オーソドックスな出題が多くみられ、当塾通信講座の受講生は高得点をとった人も多いようです。  当塾通信講座は、行政改革や個人情報保護関連、情報セキュリティ関連等を根幹としながらも、その他の政治・経済分野もきちんと教えていくというスタンスであるため、当塾通信教育を十分こなしていれば、選挙制度に関する問47、行政改革に関する問48、温暖化に関する問50、租税に関する問52、個人情報保護法に関する問54、情報通信に関する問56は、比較的容易に正解できたものと思われます。
 本年の問題は全体的に見ると合格しやすい問題といえ、合格率も9%台となりました。当塾通信講座の受講生からも多くの合格者が誕生しました。ただ、やはり表面的な知識では対応できないと思われますので、引き続き、理解と記憶を徹底する指導を行って参ります。

平成22年度行政書士試験の傾向(合格率6.60%)

 まず、法令・択一式については、憲法・行政法・地方自治法といった公法系科目に比較的平易な問題が多かったものの、問8や問23など推論が必要な問題もみられました。また、私法系科目では、商法で新株予約権が突っ込んで問われるなど、難易度の高い問題も散見されました。
 多肢選択式は、2問は平易だったものの、1問は、原子炉の安全審査について手続的審査方式をとった伊方原発訴訟判決からの出題でした。当塾通信講座では、法解釈編で詳しく学ぶ内容で、法解釈編まで学んでいれば、ここでも得点できたものと思われます。
 法令・記述式については、行政法の問題は平易だったものの、民法の記述の難易度がやや高かったため、得点が伸び悩んだ受験生も多かったようです。特に、問46は、条文の趣旨を書かせるもので、当塾記述問題集には収録しているスタイルの問題ですが、これまでの本試験ではみられなかった形式で、注目です。
 一般知識等については、難易度の高い問題が多く、苦戦した受験生も多かったようです。マスメディアや行政組織といったオーソドックスなテーマに関する問47、問48も、発展的な内容の選択肢が混ぜられており、また、難民認定制度に関する問53のような難易度の高い問題もありました。問54〜問57の個人情報保護関連と情報通信関連をしっかり得点し、文章理解と政治経済の問題で拾っていくという得点スタイルになったものと思われます。
 本年の問題は、法令では択一式・記述式ともに難易度の高い問題が混じり、一般知識は平易な問題が少なかった分、合格率が6%台と、少し絞られる結果になったものと思われます。表面的な知識では対応できないと思われますので、引き続き、理解と記憶を徹底する指導を行って参ります。

平成23年度行政書士試験の傾向(合格率8.05%)

 まず、法令・択一式については、憲法・行政法・地方自治法といった公法系科目のみならず、私法系科目についても平易な問題が多く、法令択一式全体としては得点の稼ぎどころとなりました。多肢選択式も行政法2問は平易だったものの、憲法1問は、パブリックフォーラム論を知っているかどうかが正解の分かれ目だったと言えるでしょう。ただ、全般的には平易で、当塾通信講座の受講生のなかでは、択一式・多肢選択式のみで合格点(180点)を超えた者も相当数いました。
 法令・記述式については、3問とも基本的で、書けて欲しい問題といえます。
 一般知識等については、オーソドックスな出題が多くみられ、当塾通信講座の受講生は高得点をとった人も多いようです。  当塾通信講座は、行政改革や個人情報保護関連、情報セキュリティ関連等を根幹としながらも、その他の政治・経済分野もきちんと教えていくというスタンスであるため、当塾通信教育を十分こなしていれば、各国の政治体制に関する問47、日本銀行に関する問49、自由貿易に関する問50、環境対策に関する問53、個人情報保護に関する問54、問55、問56は、比較的容易に正解できたものと思われます。
 本年の問題は全体的に見ると比較的合格しやすい問題といえ、合格率も8%台となりました。当塾通信講座の受講生からも多くの合格者が誕生しました。ただ、やはり表面的な知識では対応できないと思われますので、引き続き、理解と記憶を徹底する指導を行って参ります。

平成24年度行政書士試験の傾向(合格率9.19%)

 まず、法令・択一式については、憲法・行政法・地方自治法といった公法系科目に平易な問題が多く、民法で、使者や譲渡担保が突っ込んで問われるなど難易度が少し高い問題が散見されたものの、法令択一式全体としては得点しやすい年でした。多肢選択式も2問は平易だったものの、1問は、教職員に国歌の斉唱を義務付けることの是非をめぐる新判例からの出題でした。最近は、新判例からの出題も増えており、今後も注意が必要です。
 法令・記述式については、3問とも平易でしたので、書けて欲しい問題といえます。
 一般知識等については、オーソドックスな出題が多くみられ、当塾通信講座の受講生は高得点をとった人も多いようです。  当塾通信講座は、行政改革や個人情報保護関連、情報セキュリティ関連等を根幹としながらも、その他の政治・経済分野もきちんと教えていくというスタンスであるため、当塾通信教育を十分こなしていれば、諸外国の憲法に関する問49、日本の不況に関する問50、企業の独占・寡占に関する問51、個人情報保護法に関する問54、問55、問57は、比較的容易に正解できたものと思われます。
 本年の問題は全体的に見ると合格しやすい問題といえ、合格率も9%台となりました。ただ、難易度の高い問題も散見され、そのような問題が増えると合格率が一気に下がる可能性もあります。引き続き、理解と記憶を徹底する指導を行って参ります。

平成25年度行政書士試験の傾向(合格率10.10%)

 まず、法令・択一式については、行政法・民法といった主要科目に平易な問題が多く、受験生にとっては得点の稼ぎどころとなったものと思われます。反面、商法や基礎法学については、細かい知識を交えた選択肢が見られるなど、難易度が高い問題もみられました。ただ、難易度の高い問題は、消去法で解けるようにしてある場合も多く、択一式を全般的にみると得点しやすい年といえます。
 多肢選択式は、問41、問42はいずれも平易でした。問43は、処分性や訴えの利益を当事者訴訟と絡めて問う問題で、これらの事項の理解とその応用を試す応用問題です。難易度の高い問題と言われますが、「法解釈編」までしっかりこなしている受講生は、その総合力で解答できたものと思われます。
 このように、法令択一・多肢選択式については、全般的に平易でしたので、当塾通信講座の受講生のなかでは、択一式・多肢選択式のみで合格点(180点)を超えた者も相当数いました。
 法令・記述式については、民法2問はいずれも基本的な事項が問われているので、正解して欲しいところです。行政法の問44も、当塾では本論編・法解釈編の両者で説明しているところであり、当塾通信講座をしっかりこなしていれば正解できたものと思われます。
 一般知識等については、オーソドックスな出題が多くみられ、当塾通信講座の受講生は高得点をとった人も多いようです。  当塾通信講座は、行政改革や個人情報保護関連、情報セキュリティ関連等を根幹としながらも、その他の政治・経済分野もきちんと教えていくというスタンスであるため、当塾通信教育を十分こなしていれば、圧力団体に関する問47、戦後外交に関する問48、戦後の物価に関する問49、情報公開制度に関する問54、個人情報に関する問55、個人情報保護法に関する問56は、比較的容易に正解できたものと思われます。
 本年の問題は合格しやすい問題といえ、合格率も10%台となりました。当塾通信講座の受講生からも多くの合格者が誕生しました。ただ、10%を超えると、次年度以降の難化が予想されますので、引き続き、理解と記憶を徹底する指導を行って参ります。

平成26年度行政書士試験の傾向(合格率8.27%)

 本年は、補正的措置が行われ、180点の合格ラインが、166点に引き下げられました。14点引き下げられても、合格率が8%台であることからすると、苦戦した受験生がかなり多かったものと考えられます。
 まず、法令・択一式については、民法の難易度が高かったと言えます。権利能力なき社団や生命侵害の場合の近親者の損害賠償請求など、行政書士試験ではあまり出題がみられなかった問題も出されています。ただ、当塾では、これらの事項も従来から教えており、得点して欲しいところです。
 憲法・行政法といった公法系科目は比較的平易な問題が多かったので、取りこぼさずに得点したいところです。ただ、憲法で学説問題が出題されたり、行政法でも新しい判例が問われるなど、やや難易度の高い問題が散見されましたので、民法の難化と合わせて全体として得点が伸び悩んだものと思われます。
 多肢選択式は、行政事件訴訟法や地方自治法の基本的条文知識がしっかり身についているかを試すものでした。日頃から丁寧な学習をしているかどうかが、正解できるかどうかの分かれ目だと思います。
 法令・記述式については、民法の2問の難易度が比較的高かったです。例えば、他人物売買に関する問46は、比較的細かいところまで、丁寧に事例式を意識して学習しているかどうかを試す問題と言えるでしょう。
 一般知識等については、オーソドックスな出題が多くみられ、当塾通信講座の受講生は高得点をとった人も多いようです。  当塾通信講座は、行政改革や個人情報保護関連、情報セキュリティ関連等を根幹としながらも、その他の政治・経済分野もきちんと教えていくというスタンスであるため、当塾通信教育を十分こなしていれば、政治資金に関する問47、行政改革に関する問48、公債に関する問50、核軍縮に関する問51、国際機関に関する問52、選挙制度に関する問55、住基ネットに関する問56、個人情報保護法に関する問57は、比較的容易に正解できたものと思われます。
 本年の問題は、特に民法が択一・記述ともに難易度が高く、民法の記述と択一数問を落としてしまって合格点に届かなかった人も多いものと思われます。ただ、民法も本試験レベルの教材を丁寧に学習していれば、決して得点できない問題ではなく、また、他の科目は得点して欲しいところですから、本試験レベルのテキストを地道に読み込むといった対策で対応できる問題といえます。



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