行政書士試験突破塾

平成19年度行政書士試験合格者
A・K様(宮城県)

1.受験経緯

 確か2006年の8月、お盆休みの頃だったと思います。それまで派遣社員として交代勤務の工場労働に従事していた私は、普段から行き詰まりを感じていました。そして何か打開策はないだろうかと考えたとき、ふと資格試験を思いついたのです。当時は資格さえ取れば今よりいい生活ができると思っていたということもありました(それが勘違いだとその後すぐに気付いたのですが)。

 私の受験動機とはこんなものなので、実は行政書士という名前すらよく知らないまま、「試験日が11月なら、あと3ヶ月くらいあるな」と、ただ受験を思いついてから本試験日までのタイミングだけで行政書士試験を選びました。

 法律初学者にもかかわらず3ヶ月でなんとかしようという見通しの甘さは、当時は行政書士試験について右も左もわからなかったし、なにより現在の生活からできるだけ早く抜け出したいという焦りもあり、今思えばしようがなかったと思います。しかもいろいろパンフレットなどを取り寄せると、某予備校の「法律初心者でも短期間で合格レベル!速習講座」なるものを発見し、思わず飛びついていました(笑)。「速習講座」は行政書士講座の中でも破格の価格でしたが、当時は毎月の生活だけでもギリギリでしたから、消費者金融から金を借りて早速申し込みました。

 しかし手元に届いた教材は「初心者がしかも短期間でなんてありうるのか・・・」といった内容でした。憲法、行政法まではなんとか付いていけたのですが、民法に入るとまるでチンプンカンプン。7,80分の講義テープ3本で初心者に、しかも短期間で民法を身に付けさせようというのが土台無理な話です(笑)。仕方ないので自分でテキストを読んでみるのですが、これは呪文か暗号の類かと思いたくなるくらい、まるで頭に入ってきませんでした。

 そんな感じでしたので、10月に入った頃にはすっかり行政書士の受験をあきらめてしまいました。なんとか少しは身に付いただろうと思っていた憲法、行政法も過去問になるとまるで解けませんでしたし、民法にいたっては問題文の意味すらよくわかりませんでしたから、まったく勝負になりません。

 その直後はさすがに少し凹みましたが、そのまますぐにそれまで通りの日常に戻っていきました。ただその後も行政書士試験のことは常に頭に引っかかっていましたし、法律は意外と面白いと感じていましたので、折をみて情報収集だけは続けていました。そんなときに突破塾のサイトをみつけました。

しかし「速習講座」で痛い目にあってましたから、突破塾の安さをみて最初は正直なところ「安いものはそれなりでしかないんじゃないか」という疑心暗鬼しかありませんでした(笑)。ただ科目ごとに購入できること、「地方自治法」が単独講座としてあったことなどに惹かれ、とりあえずチェックだけしておきました。

 その後しばらくバタバタしましたが、2007年4月頃行政書士試験を再(?)受験することを決めました。今回は情報収集もしていたし多少なりとも金を準備しておく時間もあったので(笑)、モチベーションや勝負する体勢は、行き当たりばったりだった06年に比べれば十分に調整できたんじゃないかと思います。

 いろいろ考慮した結果、突破塾では「地方自治法」「商法・基礎法学」を単科受講しました(その他の科目は昨年のものや一部先の某予備校で再受講したものを使用しました)。行政書士試験本番では一番力をいれ時間を割いた「民法」が択一で失敗し、記述も例の通りの難問で手応えもなくダメージは相当大きかったのですが、それでもなんとか合格できたのは「基礎法学」「地方自治法」「会社法等」を得点源にできたことが非常に大きかったと思っています。

これらの科目についてやったことといえば突破塾の講義と問題集だけです。逆にいえば、突破塾の講義と問題集をこなしておけばある程度の得点は見込みやすい科目といえるのかもしれません。ならば、基礎法学は抜きにしても、「地方自治法」「会社法等」はできる限り対策をとっておくことをぜひお勧めしたいです。


2.学習方法など

(1)使用教材
 それぞれ科目の基礎講座と記述式対策講座、それと行政書士試験の過去問集、公務員試験問題集、記述式問題集、あとは六法、法律用語辞典などです。答練はほとんど利用しませんでした。

 基礎講座について私は2種類の講座を受講したことになりますが、おそらく現在では名のある予備校の講座であればどれを選んでも行政書士試験で勝負できる力が身につく内容になっていると思います。ただ講座を選ぶ際、タイミングやそれぞれの好み、相性、オプションや経済的制約など様々な要因が関わってくるんだろうと思います。

 個人的なことをいえば、受講していた某予備校の講座はライブ講義を録画・録音したもので1回約3時間弱、長いといえば長いのですが、板書を書く時間や息抜きの時間も割とあるので、ついていくのにそれほど困難は感じませんでした。それにライブの臨場感が好きだったので、結構気に入っていました。

しかし突破塾の通信講座は1回が約80分、講義時間は短いですが中身がギッシリです。一度数枚まとめて約3時間強の講義を一気に聴講したのですが、終わったあとはグッタリしてしまいました(笑)。でもそれは内容が濃い、無駄な点が少ないということで、力をつけるには非常に有意義な通信講座だと感じています。しかも密度の濃い良質の通信教育をあれだけの安価で提供しているという点は、他の予備校と比べてずば抜けて優れている点だと思います。

 ちなみに私の周囲には経済的に余裕のある者がほとんどいないので、もし行政書士試験受験の相談を受けたらまず間違いなく突破塾を勧めたいと思っています。

(2)学習方法・反省点
①基礎講座のインプットはできるだけ手早く
 とはいっても1回読んだり聴いただけで記憶・理解するのは相当難しいと思います。インプットはやはり繰り返すことが当然の前提になってきます。そこで私はとにかく1回目は机に座りテキストを開いてペンを持って聴講しましたが、2回目以降は運転中に聴いたり、速聴機能を利用するなど、なるべく時間をとらないよう心がけました。それと聴講する部分をある程度選別したりもしました(その点突破塾のCDは便利でした)。ですので実際のところ各教科何回まわしたかというのはよくわかりませんが、部分部分では10回以上聴いたものもありますし、1,2回しか聴いてない部分もあると思います。

 このような方法を取ったのは一つには時間があまり取れないという理由と、もう一つは私の問題集の使い方に関係しています。

②できるだけ問題集に時間を割く
 これはより多くの問題を解くという意図ではありません。当然アウトプットとして知識の確認などもするのですが、どちらかというと問題集もインプットに比重を置いていました。だから問題が解ける解けないはほとんど気にしませんでした。

 このようなスタイルをとったのは、問題文の形式にできるだけ慣れておきたいというのが大きな理由です。講義やテキストで理解・記憶できたつもりになっても、いざ問題の形になると解けなくなるということがよくあります。その状態はおそらくしっかり記憶できていない、理解不足などが要因であり、講義・テキストで出来る限りインプットを繰り返し記憶と理解の精度を高めていくことで克服しうることだと思いますが、私の場合、そうやってしまうと問題集に当てられる時間が相当限定されてしまうと判断しました。やはり試験ではなんだかんだいっても問題に正解して得点を重ねなければ合格できないのですから、たとえ理解や記憶が多少曖昧でも、問題演習できないことの方が私には不安に感じました。そこで最低限インプットを完了したら、思い切って問題演習入ってしまい、そこで同時並行的にインプットも補充していこうと考えた訳です。加えてできるだけ問題に触れることで、問題文を読むコツみたいなものを掴めたらいいなとも考えていました。本当にコツなんてものがあるのか、正直なところ今でもよくわかりませんが(笑)、結果的に私にとってこの方法は正解だったと思っています。

 具体的なやり方は下記の通りです。

 問題の解答→解説を読み、該当条文・テキストの該当箇所を確認、チェックなど→テキストの記述が不足している場合、補足論点などの書込み

 試験勉強の大部分、というより行政書士試験直前まで、ただひたすらこの作業を続けていただけだったような気がします。テキストに書込むのは「情報の一元化」、行政書士試験直前期にこれだけ見直せばOKというものを作っておくためです。ただこの作業が結構大変でした。特に「民法」は書込む量が多すぎて「もう書くスペースがない・・・」ということがよくありました(笑)。それにやはり時間がかかります。1時間に1、2問しか進まないということもざらでしたので、こんなペースで大丈夫なのかと不安になることもありましたが、今思えばこのときの苦労が力になったのだろうと思っています。

 ちなみに行政書士の過去問集も問題を解いているという意識はほとんどなく、ただひたすら読んでいるといった感じでした。行政書士の過去問は専ら仕事の休憩時間を利用して読んでいましたので、家で特別取り組むということはほとんどなかった気がします。ただ行政書士試験直前までずっと続けていました。

 しかしこのやり方について反省点もあります。それが③になります。

③何回かは行政書士試験本番形式の練習をする
 と頭では考えていたのですが、結局一度も実行できませんでした。答練、模試等の本番形式はおろか、問題演習の際も②のように1問1問じっくり取り組むスタイルでやっていましたから、時間を決めて解く練習をほとんど行っていませんでした。そのため行政書士本試験はぶっつけ本番のような形になってしまい、時間配分が滅茶苦茶になって試験終了まで冷や汗かきっぱなしでした。


3.行政書士試験直前期

 行政書士試験直前の10月に入ってから、運の悪いことに仕事上のトラブルや私生活上のゴタゴタが重なってしまい、追込期にもかかわらず大幅にペースダウンしてしまいました。この時期は半ば自棄な気持ちになって「もうどうでもいいや」と思ったこともありました。このような事態は他の受験生にも往々にして起こりうることだと思います。また残念ながらしっかり自己管理していれば絶対に避けられる、という問題でもありません。

 そんな気ばかり焦って勉強に手がつかなかったとき、私は書込みしたテキストや行政書士の過去問、問題集をパラパラめくって眺めていました。決して学習が進んでいる状態とは言えませんが、自分の手が加えられている通信講座をみていると少し気分が楽になる効果がありました。手垢で汚れた六法などもそうです。ただ、中身をみないで汚れた部分ばかり眺めて悦に入ってしまうこともあったような気もしますが(笑)

 トラブルというのはいつ襲ってくるかわからないので如何ともし難いところがありますが、それに対応するためには勉強できるときにしておく、それしかないんじゃないかと思います。そしていざ試験本番のときには完全に開き直る、そうすれば苦労した分きっとなにか残るものがあるんじゃないかと思います。


4.最後に

 以上が私の行政書士試験の受験経緯及び学習法の概括です。
 もしかしたら受験生の方のお役に立つようなことはなにひとつないんじゃないかと危惧していますが、ほんの一部分でも御参考になることがあれば幸いに思います。

 また突破塾の皆様方にはたいへんお世話になりましたこと、感謝しております。そして今後もできるだけ安価で充実した通信講座を提供していただけますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。

 長文になってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。