行政書士試験突破塾

平成22年度行政書士試験合格者
受験番号2530071
平島 秀剛 様(東京都)

平島秀剛さん

私は子供のころからパソコンをいじるのが好きで、高校は理系コース、大学も理工学部、卒業後は当たり前のようにソフトウェア開発会社に就職し、現在もS.E.として働く、自他とも認めるバリバリの理系人生を送ってきました。
2009年の夏、ふとしたきっかけで行政書士試験を受けようと考え、突破塾を受講。これまでの人生で一度も法律の勉強をしたことのなかった私が、1年ほどの勉強の末、平成22年度行政書士試験で一発合格することができました。

■予備校か?通信講座か? -突破塾を選んだ理由-
 法律初学者の私が独学で行政書士に合格するのは当然無理な話なので、会社に勤めながら予備校に通うか、通信講座を受講するか、どちらか選択しなければなりません。
 予備校の場合、わからない箇所はその場ですぐ質問できたり、勉強仲間ができたりするメリットはありますが、決まった時間に授業を受ける必要があったり、通学に時間がかかったりと時間の融通が効かないデメリットもあります。
予備校に行ってもメインとなる「授業を聴く」という点では通信講座でも変わらない上、わからない箇所や忘れた箇所があっても後で聴きなおせるという大きなメリットが通信講座にはあります。特に初学者の私にとって、何度も何度も繰り返し聞けるのは非常に大きいと考えました。
そこで、ネットで通信講座に絞って検索すると、値段の割に講義時間が長い突破塾が目に留まりました。コストパフォーマンスの高さは群を抜いていましたが、当然、「安かろう、悪かろう」という言葉が頭を過ぎります。
いくつかの通信講座のサンプルを取り寄せて聞き比べたところ、突破塾が特に劣るところは無く、逆に音声も口調もはっきりと聞き取りやすかったため、これだけ長時間の講義でかつこのクォリティならば初学者の私でも理解できそうだと考え、突破塾を選びました。

■法律=プログラム?
 法律の勉強を始めてしばらくすると、あることに気づきました。
「法律って、私がこれまでやってきたプログラムと一緒だ」と。
よく考えたら当たり前のことでした。人に対する規則が法律なら、コンピュータに対する規則はプログラムです。つまりプログラムは言わば「コンピュータの法律」。これまでせかせかと、一生懸命コンピュータに法律を打ち込んでいたのです。
 そう考えると、法律が一気に身近に感じ、かつ、理系の自分にも合っているんじゃないかと思えて気持ちが楽になりました。「理系だから無理」、じゃなくて「理系だからイケる」。逆転の発想、ポジティブシンキングですね。

■勉強スケジュール
○勉強スタート
平成21年8月、突破塾の憲法を受講開始。
まずは約1年後の平成22年11月行政書士試験に向けて、おおまかなスケジュールを立てました。
CDは全部で103枚あるので、1年弱で全部聞くとすると、おおよそ月に10枚。土日はお休み(!)として20日で10枚。2日で1枚。CD1枚約80分なので、つまり1日40分。まずはこれをひとつの目安としました。
実際に私が聞いたCDをメモしてあったので、下記に示しておきます。

[初期]
2009年8月~11月 憲法1~14、民法1~10 (※この間は細かいメモなし)
2009年12月 民法11~17
2010年1月 民法18~20
2010年2月 民法21~27
2010年3月 行政法1~8
2010年4月 行政法9~15
2010年5月 行政法16~18、地方自治法1~5
[中期]
2010年6月 行政法19~20、地方自治法6~9、商法1~5、一般知識1~2
2010年7月 商法6~11、一般知識3~7、基礎法学1~2
2010年8月 一般知識8~10
[終期]
2010年9月 一般知識11~14
2010年10月 一般知識15~20

○初期(平成21年8月~平成22年5月)
平成22年5月ころまではまだ危機感も薄く、勉強しなかった日も多かったため、月10枚も聞いていませんでした。勉強した日はCD40分+択一式問題集20分で、せいぜい平均1時間程度だったかなと思います。

○中期(平成22年6月~8月)
 2010年5月末、突破塾CDの進捗で言うと憲法・民法・行政法が終わり、地方自治法の途中あたりで初めて模試(予想問題集)に挑戦。このときはまだ商法と一般知識を勉強していなかったのですが、自分でも驚きの169点を取ることができました。あと11点で合格点です。
 「これはもしかしたら今年いけるかも!」とモチベーションが上がったためか、このあたりから1日の平均勉強時間が長くなり、CDを1日2教科・各40分聞くようになり、また、毎週末は自宅で模試に取り組むようになりました。
 予想問題集は7冊(計19回分)購入し、プラス過去問4年分(18年~21年)で、自宅での模試はあわせて23回行いました。下の図は23回の模試の点数をグラフ化したものです(※各模試・初挑戦の点数)。徐々に点数が上がっているのがわかります。こうやってグラフ化すると自分の成長具合がよくわかるので、モチベーションを上げる一つの方法だと思います。
このころの平均勉強時間は1日2~3時間だったと思います。

模試点数の推移

図1 模試点数の推移

○終期(平成22年9月~)
 終期になると、1日の24時間は「仕事」、「勉強」、「食事」、「睡眠」の4つのみになりました。勉強は少ない日でも3時間、平均で4~5時間はやっていたと思います。
 市販の択一式問題集と、突破塾の記述式問題集は数をこなし、特に間違えた問題を繰り返し行っていました。模試も2度目、3度目と行い、突破塾のCDは再生速度を1.6~1.8倍に上げて毎日少しずつ復習(※「聞々ハヤえもん」というフリーソフトを使用)。
 配点の高い民法・行政法中心ではありましたが、捨て科目は作りたくなかったので1日3科目以上、各科目を満遍なくこなしていました。
 問題を解くときは単に答え合わせをするだけでなく、解説をよく読んでとにかく理解し、法律の考え方を身につけるように努めました。一回の模試で回答に2~3時間、答え合わせに2時間以上と、少なくとも4時間はかけていましたね。

■暗記よりも理解
 勉強法の一つとして条文や判例を丸暗記するという方法もあると思いますが、私は暗記に頼る部分は最小限に留め、法律や判例の考え方を理解することに努めました。
これは突破塾のCDでも言われていましたが、やはり膨大な量の条文・判例を全部覚えるのは時間的にも気力的にも難しいためです。
 単語カードなども購入はしたのですが、ほとんど使いませんでした。
(※余談ですが、使わなかった単語カード、今では行政書士開業に向けて大量に購入した実務本のしおりとして活躍しています(笑))

■「1日2回睡眠法」 -勉強スタイルの確立-
 勉強する上で私が一番気をつけたのは、「眠いときは勉強しない」ことです。
 眠いときに勉強してもなかなか頭に入らず、効率悪く時間だけが過ぎることになるにも関わらず、経過した時間の分だけ「勉強時間」として計上されるので、後でちゃんと勉強していたような気分になってしまうからです。
 特に終期になって自分のスタイルとして確立したのが、仕事が終わったらまず2~3時間寝る。その後夕食を摂り、深夜~朝方まで勉強。再び2~4時間の睡眠を取るという、名づけて「1日2回睡眠法」です。
1回2,3時間の睡眠を2回取ることで少なくとも1日5~6時間の睡眠時間を確保できます。また、勉強する前にいったん寝るので、頭がすっきりした状態で勉強することができます。
この方法を万人にお奨めするつもりはありませんが(長く続けると健康面で問題ありそうですし)、この方法のように「自分にあった勉強のスタイルを確立する」ということが、長い期間、勉強を継続していく上で非常に重要だと思います。

■記述式対策
 突破塾のCDでも指導していましたが、やはりまずは択一式問題集に徹底して取り組むのが良いと思います。
私の場合、択一式問題がある程度解けるようになったころ、初めて記述式問題に挑んでみたのですが、そのときは解答するどころか関連する単語さえまったく頭に浮かばず、「これは絶対受からない・・・」と絶望感に襲われたことがありました。
結局、その後、記述式のことはいったん忘れて択一式問題集に絞って数をこなし、2~3ヶ月経過してから再度記述式問題にトライしてみたところ、自然と解けるようになっていました。初期の段階で記述式問題が解けなくても焦る必要は全くないと思います。
 また、使用した記述式問題集は突破塾のもののみでしたが、これで十分だと思います。
(※平成22年度試験の記述式・問46は突破塾問題集にずばり同じ問題が掲載されていましたし、問44も突破塾CDをやっていれば絶対に解ける基本問題でした。)

■一般知識対策
 まず国語(長文読解)の3問は絶対落とさないように心がけました。
 そのためにも試験中、時間的に焦った状態で国語問題の長文を読むのは避けたいと思い、模試・本試験において問題を解く順番は「法令択一式 → 記述式 → 国語 → 一般知識」と早くから決めていました。
ただ国語対策の問題集は特に購入はしていません。予想問題集(模試)の国語問題だけでもかなりの数がありましたので。
 また、必ず出題されるであろう個人情報保護法関連や行政手続オンライン化関連三法などはしっかりと押さえておきました。
 ここまでで4~5問正解できれば、あと1~2問できればよいので、突破塾の一般知識のCDと、時事の本にさっと目を通す程度で、勉強時間はあまり割きませんでした。当然、暗記作業もしていません。
 もっとも、実は23回の模試で一般知識が足切りの24点を切ったことは一度も無かったので、試験前からそれほど不安視していない部分ではありました。

■特に役に立った問題集・書籍等
○書籍
「出る順 行政書士 初歩の初歩(LEC)」
行政書士試験を受けようとして一番最初に読んだ本です。
法律問題の具体的事例がQ&A形式で掲載されており、憲法や法律の基本的な役割をわかりやすく解説しています。
行政書士の勉強を始めてしばらくしてから読み返してみると、実は試験のポイントとなる重要な部分が掲載されていたりするので、たまに読み直していました。

○問題集
「公務員試験 過去問Quick Master憲法 ウォーク問(LEC)」
「資格の大原 一発合格行政書士 択一式 トレーニング問題集 1 憲法、2民法、4行政法、6商法・会社法・基礎法学(大原出版)」
 この5冊だけでもかなりの問題数になります。
一通り解けるようになったら基本部分は十分身に付いたと言って良いでしょう。

○判例集
「今年こそ行政書士!試験にデル判例 (自由国民社)」
 判例、ポイント、解説が2色刷りでわかりやすく掲載されている上、携帯しやすいサイズ(分厚い割に軽い!)で、行政書士試験対策としての判例集はこれ一冊で十分だと思います。
読み物としても面白く、法律・判例の考え方を身につけるのに非常に役立ちました。

○予想問題集(模試)
 予想問題集は多くの出版社から出版されていますが、最近の難化している行政書士試験にあわせて、問題が長文かどうか、民法に事例問題が含まれているかどうか、が選ぶポイントだと思います。
ひどいものだと、法律が改正されているにも関わらず問題・回答が修正されておらず、正解が2つあるものもありました。短い問題文ばかりのものは要注意です。
 予備校系が出版しているものが比較的、最近の傾向に合わせた問題が掲載されていたと思います。

■180点の壁
 模試や過去問を何回も行いましたが、行政書士試験の問題は良く出来ていると思います。ほとんどの人が150点~210点(得点率50%~70%)の間に収まっているのではないでしょうか?
 150点は誰でも獲得でき、そこから180点までの山は非常に険しく、180点をコンスタントに取るのはさらに困難で、210点獲れたら神様。こんな感想を抱きました。

■足りなかった部分、やっておけば良かったこと
今回の試験の結果、自己採点してみてまず後悔したのが、良く読めば解ける基本的な問題を何問か間違えてしまっていたことです。
 これは、(1)試験会場で試験を受けることに慣れていなかったこと、(2)条文の読み込みが足りなかったこと、に原因があると自己分析しました。
 前述した通り、予想問題集による模試を自宅で何回も行っていたのですが、やはり試験会場で受ける試験は別ものでした。予備校で行われている模試に申し込んで、教室の雰囲気や大勢の中で受ける試験に慣れておけば良かったなと思いました。これから受験する方は、少なくとも2回は受けるべきだと思います。
 また、勉強の終盤、問題集ばかりやっていると、判例に対する理解や法律の応用的な知識・考え方が増える一方、それら頭の中に詰め込んだたくさんの知識の中に、基本である「条文」自体が埋もれてしまい、試験を受ける段階で不鮮明なものになってしまっていました。つまり重要な部分とそうでない部分が頭の中で一緒くたになってしまっていたわけです。
やはりまずは「条文」があって、その周りを判例や応用知識で肉付けをしていくわけですから、条文を何度も読み直し、記憶の「ベース」をもっとしっかりとしたものにする必要があったなと思います。

■最後に
法律の勉強まったく未経験だった私が、突破塾の通信教育で1年で合格することができました。大学の授業はもちろん、他の予備校等の講座も一切受けたことがないので、純粋な突破塾生と言って良いのかなと思います。突破塾の先生・スタッフの方々には本当に感謝しています。ありがとうございました。
これから行政書士を目指す方々、応援しています。私にも出来たのでみなさんも必ず出来るはずです。がんばってください!

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