行政書士試験突破塾

平成22年度行政書士試験合格者
受験番号3310615
M・T様(石川県)

はじめに
私(20代後半・男)が行政書士試験を受験しようと思ったきっかけは、士業に対する漠然とした憧れと、比較的取得し易いというとても単純なものでした。ただ、取得難度については、平成15年度以降の合格率を見れば分かる通り、世間的な認識とは違い、難関であると考えていたので、ある程度覚悟を持って臨んだつもりです。結果的に恥ずかしながら、4度目の受験でようやく合格することができました。私の拙い受験経験が、今後この試験を受験しようとする方や、再挑戦を考えている方にとって少しでも参考になれば幸いです。

平成17年度(一回目)
当時、翌年に卒業を控えていた学生であった私は、時間的に融通の利く最後の機会と考え、以前から関心があった行政書士試験に挑戦することにしました。使用した教材は、現在でもおなじみの某通信講座です。4月頃から始めて、約半年間、講座の過程に専念しました。この講座は法律初学者の私にとっても分かり易く、試験の概略を短期間で掴むことができましたが、応用力が上手く身に付かなかった事から、私は本試験には対応できませんでした。特にこの年は記述式問題の難度が高く、また、来年以降試験制度が変更されると発表されていたので、心理的な負担も大きかったと思います。(単に自分が本番に弱かった事もありますが)

平成18、19年度
前年度の試験が、自分の予想を大きく上回る難度であり、この年から試験制度も変わることから、あまり勉強する気にはなれませんでした。ここでほぼ資格取得を早くも断念したといっても過言ではない状態でした。また、生活面でも大学の卒業研究や、就職活動が忙しかったこともあります。結果、無事に地元の企業に内定が決まり、18年度は受験を見送りました。翌19年度は学生時代とは大きく異なり、勉強どころか私的な時間がほとんど取れず、また、業種上、土日も関係なかったので、殆ど試験のことは忘れていました。ただ、仕事自体はとてもやりがいがあったので(編集関係)後悔はしていませんでした。

平成20年度(二回目)
前職はとてもやりがいがあったのですが諸般の都合で約一年間で退職することになりました。(自己都合ではありません)退職後、最初の数ヶ月は時間が有り余っていたにも関わらず、特に何もやろうという気が起こらず、少し危険な状態でした。当時はまだリーマンショック前で、極端な不景気でもなかったのですが、将来に対する不安から、公務員(行政職)を目指すことにしました。私は理系出身だったので、学生時代は行政区分の試験は縁がないと思っていたのですが、行政書士試験の勉強である程度は法律の知識を蓄えたと自負していたので、自然に勉強に入ることができました。この年に使用した教材は次の通りです。

公務員・専門試験対策
・新スーパー過去問ゼミ2シリーズ(憲法、行政法、民法Ⅰ,Ⅱ)←これらは翌年以降も使用

行政書士試験
・ポケット六法平成21年版(有斐閣、この六法は平成22年度まで使用)

・模擬試験型問題集(LEC,成美堂)

試験は翌年の6月だったのですが、途中に行政書士試験があるので、法律系科目の腕試しに再挑戦することにしました。ただ、試験対策はあくまで公務員対策でした。結果、何とかなるだろうという甘い考えは見事に崩れました。新形式の受験は初めてだったのですが、全体的に前回(平成17年度)より難度が上がっていると感じました。合格率がやや高くなっているのは受験生のレベルが上がっているからだと思います。この影響で却って自信を失くしてしまいました。(試験は軽い気持ちで受けるものではないです)

平成21年度(三回目)
前年の結果を受けて、再び行政書士にも関心が上がりました。ただ、6月に公務員試験があるので、こちらもあまり自信がなかったのですが、一応受験しました。結果は意外にも筆記試験は合格できました。この結果を受けて多少は自信を取り戻すと同時に、「行政」の名が付く行政書士資格は是が非でも取得したいという想いが強くなりました。この年に使用した教材は次の通りです。

・うかるぞ行政書士シリーズ(週刊住宅新聞社)

・模擬試験型問題集(成美堂、日本経済新聞社)

・予備校の模試(TAC)

勉強方法はオーソドックスに基本テキストと過去問、予想問題集の繰り返し、直前期には時間を計って図書館等で模試を受けました。このスタイルはどのような試験でも同じで、合格するには唯一の方法だと思います。ただ、独学の場合、理解が不確かな部分も分かったつもりで進めてしまう事が多々あるので、特に民法などで注意が必要です。この年は試験二ヶ月程前には模試でも合格ラインに何とか手が届くようになっていました。しかし、予備校の模試では点数が伸び悩み、この年も不安を抱えたままの受験となりました。結果は、試験自体が比較的例年より易しかった事もあり、合格点を若干下回る程度の点数は取れました。しかし、比較的易しい年でも合格できなかったので、やはりこの試験には縁がないのではないかという不安も生じたのは確かです。

平成22年度(四回目)
この年は公務員試験よりも行政書士試験に重点を置くことにしました。この選択は正しかったか分かりませんが、ようやく結果が出たので間違ってはいなかったと思います。再挑戦にあたっては、教材選びにまず苦心しました。と言うのも、市販のテキスト等は各出版社間で大きな差がないように見え、それなら去年の繰り返しになると思ったからです。かといって大手の予備校等は、過去の経験上(平成17年度)、行政書士試験に限っては今一つ信用していませんでした。そんな時、この突破塾を再び見つけました。再びというのは、17年度試験後にも偶然見つけており、合格者が少ない中で、多くの合格者を生んでいる所から、信用できそうだと薄々感じていました。この年は受験回数から言っても背水の陣のつもりで挑んだので、思い切って、科目毎に申し込むことにしました。(匿名性の高いサイトだったので不安があったのですが、サイト全体の雰囲気から大丈夫だろうと決断しました。)この年の使用教材は次の通りです。

・突破塾テキスト

・2010年版 らくらく行政書士の○×過去問(週刊住宅新聞社)

・平成22年版 行政書士合格トレーニング(TAC)

・2011年度版 企業法早まくり肢別問題集(同)

・要点演習1地方自治法 第2次改訂版(公職研)

・上・中級公務員試験 教養分野別問題集 文章理解(実務教育出版)

・模擬試験型問題集(成美堂)

・模擬試験(TAC)

(商法と地方自治法は突破塾の掲示板で薦められており、この科目は不安があったので購入しました。)

突破塾通信講座の利用法
私は4月に民法から始めて、商法、行政法、地方自治法、憲法と苦手科目から進めていきました。CDは一日平均2枚ずつ聞いて、夏頃に一通り終わらせました。その後は苦手科目を中心に本試験一週間前まで繰り返し、同時に問題集を解き、模試を受けました。今まで独学で分かったつもりになっていたと思っていたのですが、CDでの丁寧な講義を聴くうちに、自分なりの理解がさほど間違ってはいない事に気付き、自信を取り戻せたと思います。また、週一回は突破塾のホームページを閲覧しました。特に、他の受講生の質問は非常に参考になったのですが、質問のレベルが異様に高く、多少焦りも感じました。

秋頃には市販の模試でも平均200点以上取れるようになり、突破塾の効果には驚いたものでした。しかし、前年と同じ予備校の模試では再び得点が伸び悩み、どちらが正しい実力なのかとまたまた不安を抱えたままの本試験となりました。

試験当日は、過去の試験と同様のレベルで緊張していました。特に、申し込んだのがぎりぎりで、最後の方だと思っていた受験番号がさらに50人ほど後ろにいた事や、過去2年は長机の左側だったのが、右利きの私にはやりづらい右側だった事、欠席だと思っていた隣の席が試験の説明中に遅れて来るなど、受験環境は前回までと比べて最も悪かったと思います。(試験が始まってしまえばそんな事を気にする余裕はありませんが)

次に、実際の問題を解く順序を紹介します。私は法令選択式→記述式→文章理解→最初から(基礎法学、個数問題は後回し)の順でいつも解いていました。これは昨年から試している自分なりに最もやりやすい順番で、参考になれば幸いです。間違っても最初から順番通りに解くことは避けるべきです。(そうすると行き詰るように試験問題は作られています)ただ、今年は選択式が難しかったので出鼻をくじかれ、緊張感の中、早くも諦めムードになってしまいました。記述式が前年より易しかったので立て直せましたが、危機管理能力が必要な良い例だと実感しました。試験は全体的に時間が足りず、ぎりぎりで何とか全て埋めましたが、見直せなかったので自己採点後も不安でした。しかし、結果は択一式は自己採点通り、記述式は予想以上の高得点で合計200点丁度でした。正直な所、180点以上なら何点でも良かったので、嬉しいというより、不思議な気分でした。しかし、とっぱ先生が高得点とメールで評価してくれたことは非常に嬉しく、また実感もわいて来ました。

おわりに
以上、駄文で実践的に役立つ事が殆ど盛り込めなかったのは筆者の力量不足です。しかし、一つ言えることは、突破塾を信じて自分なりの方法を確立し、試験まで繰り返せば確実に合格できる力は身に付くという事です。試験に合格するにはそれに加えて本番で実力を出し切る必要がありますが、本番では何があるか分からないので、合格できた今も、こうすれば絶対という事は残念ながら言えません。しかし、試験時間中も含めて諦めない限りは誰にでもチャンスはあるという事は忘れずに、試験に臨んでほしいと思います。