平成19年度行政書士試験合格者 Y・N様(東京都)

0. 私のプロフィール
 東京の下町、江戸川区の小岩に生まれたときから在住。
現在、メーカーの知的財産権部に勤務しています。したがって、特許法など知的財産権法についての知識はありますが、行政書士試験の試験科目である憲法、民法、行政法などについては、受験勉強開始当初は、ほぼ白紙の状態でした。

1. 受験のきっかけ
 行政書士試験を受験したことのある妻に勧められたことによります。行政書士試験の合格者は、知的財産権関連の資格である弁理士試験の選択科目が免除になると教えてくれたので軽い気持ちで受験してみることにしました。
(ちなみに、妻は、結婚前の2004年に行政書士試験を受験しています。4,5か月ほどの猛勉強を経て(本人の弁)本試に臨み、にも関わらず、問題が何を聞いているかすら理解できなかったため、さっさと受験勉強から撤退したとのこと。)

2. 1年目
 パンフレットの「今、申し込めばとってもお得」との文句に惹かれて、LECの初学者向け講座である「合格講座」と総合答練や公開模試などがパックになったコースを申込み、平成18年4月から行政書士試験の勉強を開始することにしました。

(1) 4月から7月まで
 やっぱり一番の基本は憲法だろうと思ったので、憲法から初めて、民法、行政法の順に合格講座の講義を聞いていきました。まだ、根拠なく行政書士試験くらい合格できるだろうと安易に考えていた時期です。憲法、民法は面白いと思ったので、それなりに復習(といっても週に2,3時間程度)していたのですが、7月から行政法が始まるとつまらなくなって講義を聞きっぱなしの状態となりました。(その頃、行政法では何故根拠となる法律の条文が出てこないのかと不思議に思っていました。そのうち条文が出てきたら復習を始めようと思っていたのですが、やっと、条文が出てくる行政手続法の講義が始まったときには、すでに行政法のテキストの半分が終わっていました。「何で?」と思ったものです。)

(2) 8月から行政書士試験まで
 「とってもお得」とはいえ、LECには15万円以上の金額を支払っています。8月になって、このまま行政書士試験を受けたとしても、合格するわけがない、もったいない、ということにようやく気がつきました。おろそかにしていた行政法の復習を開始、並行して憲法、民法の過去問を解き始めました。
 そして、8月も終わる頃に合格講座が終了、代わりに総合答練と総まとめの講座が始まりました。せっかくパックで申し込んだのだから全て出席しなくては損と思い、両方とも受講することとしたため、にわかに忙しくなりました。このころは、総合答練の試験範囲に合わせて合格講座のテキストを復習して行政書士の過去問を解く、土曜日に総まとめの講座に出席、日曜日に総合答練とういうスケジュールで勉強していきました。まだ、基本的な知識があやふやな(というより肝心の行政法はゼロに近い)この時期、このような内容とスケジュールで勉強するのはとてもつらいものだったことが思い出されます。
 当然のことながら、総合答練の成績は超低空飛行を続けました。何といっても行政法の問題がことごとく不正解でした。何とかしなくてはと思い、総まとめの講座の先生の教えにしたがい、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法(以下、行政法3法)の条文の読み込みを開始しました。これは、毎日の勉強開始前の30〜1時間程度を行政法の条文の読み込みに充てるというものです。この時期から開始すれば、行政書士本試までには相当の実力がつくはず、とのお話でした。
 さらに10月になり、不明なところをテキストで確認しながら過去問を解き、週末は公開模試に出席、さらに記述式問題のための通信講座を受講して行政書士本試に備えました。
 ちなみに公開模試は4回受験しました。一度だけ86点と合格の基準点を超えましたが、概ね80点台の前半の得点でした。(なお、平成18年の公開模試は、従来と同様140点満点で採点されました。)

(3) 1年目の行政書士本試験
 ともかくも8月以降はまじめに勉強したつもりでしたが、全く歯が立ちませんでした。行政書士試験直後の自己採点では記述の点数次第で合格の可能性が少しはあるかと考えていましたが、結果は、特に法令択一の出来が悪くて72点/160点、合計得点162点/300点。惨敗でした。

(4) 1年目のまとめ
 きっと、ここまで読まれた方は、惨敗したときの勉強法などいくら教えてくれても仕方がないと思われたに違いないと思います。しかし、それをあえて書き連ねてきたのは、いま振り返ると私の行政書士試験1年目の勉強法には(「8月からまじめに勉強を開始しても遅すぎる」というのは当然のこととして、)その他にも「こういうことはしてはならない」という反面教師としての教訓に満ちているように思えるからです。そこで、「こうしておけばよかった」、「これはすべきではなかった」と考える幾つかを、私が1年目の勉強を通して得た教訓としてまとめてみたいと思います。

@ 行政書士試験を侮るなかれ
 試験開始当初、私が行政書士試験に抱いていたイメージは、合格率が15%以上で4,5か月も勉強すれば合格できる、というものでした。しかし、それは10数年以上も前の姿で、今では難関といえる試験に変貌しています。勉強を開始した当初、そのことに気づいていなかった。これが第一の敗因だったと思います。
 昨年の行政書士試験の合格率は8.6%と発表されており、ここ何年かのうちではもっとも高いそうです。しかし、昨年の問題が、一昨年の問題よりも易しかったとは、決して、思えないのです。そう簡単に合格できる試験ではないというイメージが定着して、受験生の皆さんが充分な勉強をして本試に臨むようになった結果として合格率が上がったのだと思います。そうした状況での8.6%という合格率は侮ることのできない数字だと思います。

A 1年目での合格を目指すなら2月には勉強を開始すべし
 私は1年目の勉強を4月から開始しました。しかし、4月スタートでは、例え、開始当初から勉強に精を出していたとしても、1回では合格できなかったと考えています。
 行政書士本試を11月とすると、9月、10月の2か月は実戦的な応用力を身につけるための勉強が必要です。また、初めての受験の場合、その前のできれば2か月程度の期間、少なくとも主要科目についての基礎固め(初学者向け講座で学んだことを復習しながら、10年前の試験問題のような易しい過去問を繰り返し解く等する)の時間が必要だと思います。すると、6月末には初学者向け講座を終了させなければなりません。講座を一通り終えるのに5、6カ月程度かかると思うので、このように考えると、行政書士試験に1回の受験で受かろうとするのであれば、遅くとも2月には勉強を開始しなければならなかったと思います。

B 短期合格を目指すなら行政法から始めるべし
 私は憲法がすべての法律の基本と思い、憲法から勉強を開始しました。しかし、1回の受験で行政書士試験に合格しようとするなら、行政法の勉強から開始した方がよかったと考えています。なんといっても行政書士試験では行政法のウェイトが一番高いですし、憲法や民法を学んでいないから行政法が理解できないことはないと思うからです。そこで、行政法から始めて憲法、民法の順で主要3科目をマスターし、地方自治法、商法と進めていくのが効率的だったと考えています。

C 基礎が固まらないうちの上級講座や答練の受講は時間の無駄
 私は「せっかくパックで申し込んだのだから」ということで、総まとめ講座や総合答練を受講しました。確かに机に向かって先生の講義を聞いていれば勉強したような気にはなります。しかしながら、基礎が不充分なうちに重要なポイントを指摘されても、その箇所についての知識が曖昧では全く役にたちません。また、やさしい問題も正解できないうちに答練のひねった問題や重箱の隅をつつくような問題を解けるわけがなかったのです。いくらパックで申し込んでいたとはいえ、合格講座終了後、直ちに上級講座や答練等に出席することは避け、先に述べたような基礎固めのための勉強をしていた方が、恐らく合格には至らなかったと思いますが、かえって、行政書士本試の得点は良かったのではないかと考えています。

D 基礎が固まらないうちの条文の読み込みは、もっと時間の無駄
 私は総合答練の成績が芳しくなかったこともあり、行政法の問題は行政法3法の条文を暗記すれば得点できると安易に考えてしまい、条文の読み込みを始めました。しかし、今では、理解できていなかったあの段階での条文の読み込みは、労あまりに多くして得られた利益はゼロに近かったと考えています。意味の分からない法律の条文をただ暗記しても、あるいは答練や公開模試の成績は上がるかもしれませんが、本試では役に立ちません。また、そもそも、分かってもいないことを何度繰り返し読み込んでみたところで暗記することなどできはしないのです。(少なくとも私にはできませんでした。)

3. 2年目
(1)始動
 「もしかしたら合格しているかも」との期待を捨て切れていなかったため、合否が発表されるまでは2回目の受験に向けた勉強を開始する気になれませんでした。また、この時期、ひさしぶりのテニスのプレー中にアキレス腱を切るという怪我に見舞われ、歩くのもままならない状態となっていたため、ようやく2年目の勉強に向けて行動を開始したのは、平成19年も3月を迎えるころとなっていました。
 「そろそろ始めなくては」と考え、情報収集のため、LECその他幾つかの予備校のパンフレットを集めて検討してみました。しかし、中途半端な勉強をしてきたが故に「基礎から勉強し直したいが、初学者向けの講座も物足りない」と考える者に相応しい講座はなかなか見つかりません。

(2)突破塾通信講座との出会い
 その頃、ネットを検索していたときに見つけたのが突破塾のホームページでした。まず、掲示板や合格体験記を読み、温かくて親切な印象を受けました。さらに掲載されていた通信講座テキストの見本を読み、解説が丁寧でとても分りやすかったため、「ここだ!」と突破塾通信講座のお世話になることを即決しました。
 早速メールで申し込んだ翌朝、勇んだ私はATMから受講料として725,000円を振り込みました・・・・・・。
「ん!72万5千円?」と気づいたのは、振り込んでから30分後くらいのこと、勢い余った私は10倍の金額を振り込んでいました。(さすがにあわてましたが、すぐに突破塾から「至急、差額を返金します」とのお電話を頂き、ほっとしたことを覚えています。突破塾の事務局の方には初めからお手数をお掛けすることとなってしまいました。)
 その夜、妻にその話をすると「バーカ、突破先生に『こういうのが幾ら勉強しても合格するわけがないのに』って思われたんだよ。」と言われました。私は心の中で「4,5か月の勉強で行政書士の受験をあきらめた根性なしのくせに」と思いましたが、返す言葉がありません。
 とにもかくにも、突破塾通信講座で、私の2年目の勉強がスタートしました。3月の終わり、東京では桜の花がほぼ満開になろうかという時期でした。

(3)4月から5月(基礎を学んだ時期)
 すでに「2月から開始すべし」との自らの教訓に反して、はるかに遅い時期のスタートとなってしまいました。しかし、曲がりなりにも昨年勉強したのだからとあまり気にしないことにして、少しでも突破塾ホームページに掲載の理想的学習プランに追い付こうと、通信講座CDを聴き始めました。迷うことなく行政法から開始しました。
 突破塾通信講座のテキストは、昨年使用していたテキストとは比較にならないくらい詳細なもので、また、突破先生の講義は、期待したとおり丁寧で分りやすいものでした。前年の勉強で疑問に思っていたこと、よく分からないからと丸暗記していたことが、豊富な具体例を通して理解できました。初めて行政書士の受験勉強を面白いと感じた私は、どんどん通信講座CDを聴き進めていきました。

この時期のスケジュールは、
・土日:テキストに書き込みをしながら、CDを6,7枚聴く。
・月〜金:夜2〜3時間、土日に聴いたところを復習、復習が早めに終わったら次のCDを聴く、というもの。

 このペースで行政法のCDを4月20日頃までに聴き終えました。そして、次いで憲法の勉強を開始して5月初めまでに聴き終え、5月の終わりには民法をほぼ終了しています。
 ただし、法令解釈編については、もう少し基礎を勉強してからと思ったので、聴かずに残しておきました。
(ところで、土日にCDを6,7枚聴いて勉強するということは、休日に朝から晩まで机に向かっているということになります。特に私の家のような狭いところで一日中勉強するのは家族に気兼ねしながら、ということになるのが普通だと思います。しかし私の場合、妻が休みの日は昼まで寝ていて午後は好きな所に出かけて行くという習性の持ち主であったため、そのような気兼ねは不要でした。)
 この時期の主要3科目の勉強で特に気をつけたのは、ある科目のCDを聴いている期間でも他の科目の勉強を並行して行うようにしたことです。

例えば、
行政法を終えて憲法のCDを聴いている期間:
土日に憲法のCDを6,7枚聴く。平日、月・水・金は憲法の復習、火・木は行政法の2回目の復習、
同じく、行政法、憲法を終えて民法のCDを聴いている期間:
土日に民法のCDを6,7枚聴く。平日、月・水・金は民法の復習、火曜日は行政法の復習、木曜日は憲法の復習、

という具合です。このようにすることで、先に学んだ科目を全く忘れ去ることがないように努めました。
(なお、私の復習は、通信講座テキストを読み返すということであり、原則としてCDを聴き返すことはしていません。通信講座テキストを読み返していて、全く覚えていなかったり、疑問な点が生じたりした場合のみ、CDの該当箇所を聴き直すようにしていました。勉強開始時期が遅れたためCDを繰り返し聴く余裕がなかったこと、学生の頃から教科書を読んでじっくり考えて勉強する習慣であったことによるのだと思います。)
 ともかくも、このように勉強を進めたことにより、5月終了時点で行政法、憲法、民法という主要3科目のCDを聴き終え、しかも、その後にそれぞれの科目について1、2回は通信講座テキスト全体を読み返して復習したことになります。突破塾の理想的スケジュールに近づいてきました。

(4)6月から7月(過去問演習により基礎を固めた時期)
 6月に地方自治法のCD、7月に残しておいた主要3科目の法令解釈編のCDを聴き、並行して東京法経出版の過去問マスターを解き始めました。
 私が過去問を解くときの勉強法は、50ページ(25問)くらいの区切りの良いところをその日の範囲と決め、その範囲の突破塾通信講座のテキストを読み返した後で過去問を解く、問題を解いていて疑問な点があったらテキストで確認する、というやり方でした。このようにすると時間はかかりますが、確実に理解が深まると思います。また、もちろん過去問を解く場合にも、行政法を始めたら毎日行政法ばかりということではなく、3科目を並行して解き進めるようにしました。
 このようにして、7月の終わりには、商法、一般知識を除くCDを全て聴き終え、主要3科目については過去問マスターを一通り終了することができました。

(5)8月(少し進んだ問題にチャレンジした時期)
 8月を迎え、平成19年度行政書士試験の願書の受付が開始されました。私は、8月の半ば過ぎに願書をもらいに行って郵便局から郵送しました。試験会場の希望は、前年と同様、水道橋の中央大学後楽園キャンパスです。いよいよ行政書士試験が近づいてきたことを実感しました。暑い夏の日、東京は気温35度以上の猛暑日でした。郵便局で願書を記入するとき汗で濡らしてしまい、乾くのを待ってから記入したことを思い出します。
 8月は主要3科目の国家U種・地方公務員上級向けLECウォーク問を解くことにしました。ウォーク問を解くときの勉強法も過去問マスターを解くときと同様としましたが、何しろ問題数が多かったので膨大な時間を要しました。夏休みの1週間、朝から夕方までLECの自習室で問題を解き続けたので、ようやく8月いっぱいに終えることができたのだと思います。(ただし、今、振り返ってみると、私はこの問題集を解くことの必要性については懐疑的です。行政書士本試験のレベルが平成18年、19年のまま推移するなら突破塾通信講座のテキストと過去問マスターを繰り返せば十分に合格のレベルに達するものと思います。何しろ主要3科目を全部解き終えようとすると時間がかかりすぎる。この問題集を解こうとするなら、例えば、行政書士試験では過去問の少ない民法のみを解くとか、全部解こうとしないで3問目、6問目、9問目とか間を抜かして解いてみるとかすれば良いのではないかと思います。)
 また、この時期は、並行して、7月の終わりから少しづつ聴き始めていた一般知識のCDを聴き進めていきました。一般知識のCDを聴いた後の復習は机に向って行うのではなく、毎日の通勤時間(約1時間)に電車の中で雑誌を読むようなつもりでテキストを読むという方法をとりました。

(6)9月(まだ遅れているところを学んだ時期)
 いよいよ行政書士本試まであと2か月となって来ました。これまで、主要3科目については突破塾通信講座のテキストと過去問をそれぞれ繰り返してきたので、ある程度身について来ていると感じていました。この時点で、まだ、手つかずの状態にあるのは商法と記述対策、不十分なものは民法の親族の部分と一般知識でした。9月はこれらを中心に勉強していくことにしました。

@ 商法
 商法については、突破塾通信講座のCDとテキストの送付が遅れていたことと、おそらく法律の改正箇所をポイントとした過去問が少ないだろうと思ったことから、通信教育でLECの「新会社法集中特訓講座」というオプション講座を受講しました。これは、新会社法の要点についての講義と約300肢の問題演習がパックになった講座でした。商法については、この講座と突破塾通信講座の講義を並行して勉強する形となりました。同じ事項について異なる角度からの解説もあり、2つを聴くことで、より力をつけることができたと思います。また、300肢の例題については本試までの間に繰り返し解きました。(行政書士本試の問題を見てあんなに細かい問題まで解かなくても良かったのにと思いましたが。)

A 記述対策
 記述対策として行ったのは、突破塾から送られてきた記述式問題(主要3科目)を解くことだけです。まず、問題を読み自分なりに答えを書きつける、解答を確認する、テキストの参照頁を確認する、という方法で1問ずつ解いていきました。このような解き方をするとかなりの時間を費やすこととなりますが、40字でまとめる作業には真の理解が不可欠であること気づかされ、簡潔にまとめられた解答を読むことでより深い理解につながった事柄も多く、法令択一の勉強にとても役に立ったと思います。

B一般知識
 一般知識については、CDを一通り聴き終えた後も通勤電車で雑誌のようにテキストを読んで復習する勉強法を継続ました。結局、一般知識の通信講座テキストは全体を通して2回は繰り返して読んだことになると思います。

B 行政法3法の条文の読み込み
 さらに、9月になって前年に行なった行政法3法の条文の読み込みも開始しました。毎日というわけにもいかなかったのですが、10月の終わりまで続けました。その方法は、ほぼ、前年と同様ですが、読み込んでいくうちに、前年は無味乾燥にしか感じなかった条文の一つ、一つが、それぞれに役割を持っているのだということに気付かされました。また、読み込みが進むと、特に条文の準用関係にも注意して読み込むように努めました。こうすることによって、各法律で規定する制度間の異同(例えば、行政不服審査法でいえば、審査請求と異議申立における手続き上の相違点など)を理解するのに役立ちました。

(7)10月(行政書士本試への対応力を身につけるとともに弱点を補強した時期)
 さて、10月となると行政書士本試まで約1か月。この時期は、各科目について理解が不足していると考える部分のテキストを復習して過去問を解いた上で、LECの公開模試に臨むという形で勉強を進めました。公開模試は都合3回受験しています。
 私はこれら3回の公開模試の受験は合格にとても役に立ったと考えています。特に有益だったと考える点を以下にまとめます。

@ 試験の時間配分について考えたこと
 1回目の公開模試では、最後の文章理解の問題を解く時間が不足して充分考えた上で解答することができませんでした。このときは、法令択一の40問を解くのに2時間かかり、時間をかけたい記述や文章理解を含む残り20問を1時間で解いていました。そこで、法令択一の40問を、1時間40分(10問で25分のペース)で解き終えれば余裕をもって、記述や文章理解の問題に臨めるだろうと考えました。しかし、2回目、3回目の試験でも結局、法令択一の問題に2時間かかってしまい、最後にとても窮屈な思いをしました。
 行政書士本試のときにこれではいけないと思い、その理由をじっくり考えてみました。私は択一の問題を解いている途中自信がない問題があると、次の問題を解いているときにその問題に戻って再考することがよくあることに気づきました。そして、再考の結果、つけ直したマークは誤っていることが多い。「一度マークした問題に戻ってはいけない」と痛感させられました。

A 弱点を把握できたこと
 昨年の公開模試は、総合点は悪くはなかったのですが(1回目:216点、2回目:196点、3回目:230点(ただし3回目は自己採点))、民法の「親族」に関する問題と地方自治法の問題は、基本的なところを問うている問題にも関わらず、誤りが多いことに気付きました。お陰で、これらにかけた学習時間が少なかったことに気付くことができたので、復習する時間を増やすことにして本試に備えることができました。

B 一般知識についての情報収集ができたこと
 公開模試の終わりには解説講義がついていました。解説講義では、特に一般知識のどの分野が出題されそうかという点について、先生の話を注意深く聞きました。もう10月ともなると、一般知識の全範囲を見直すことは不可能です。ある程度絞って勉強しなければならない。絞り込みをかける上で、公開模試の解説講義が参考になりました。ここで聞いた内容は、結果的には当たらずといえど遠からず、といったところだったとは思います。とはいえ、ある程度の根拠を持った絞り込みができなかったとしたら、行政書士本試直前になって不安でたまらなくなったと思います。

C 不思議な体験をして自信を持てたこと
 3回目の模試(ファイナル模試)でのこと、民法で売買契約の担保責任の問題が出題されました。私は何度過去問を繰り返しても必ず間違えるので、この手の問題が大嫌いでした。一生懸命考えて回答してもどうせ間違えるに違いないと思って解き始めたのですが、このときは、いつもと少し違いました。突破塾通信講座のテキストの担保責任の解説のところに掲載されている表が自然に頭に浮かんできたのです。私は頭に浮かんだ表を見ながら、例えば、「瑕疵担保責任で解除しようとする場合、悪意のところには×がついているからこの肢は誤り」という具合に回答していきました。どうやら「嫌だ、嫌だ」と思いながらも、突破塾通信講座のテキストを何度も繰り返し読んだお陰で、私の頭の中にはテキストの表がイメージとして焼き付けられていたらしい。不思議な感覚でした。そして、今年は合格できるかもしれない、と初めて思えた瞬間でした。

(8)行政書士本試1週間前
 昨年は5年に一度のリフレッシュ休暇がもらえる時期に当たっていました。私は本試直前の1週間をリフレッシュ休暇に充てることにして意欲的な計画をたてました。

・憲法、民法、行政法、地方自治法については、過去問マスターの問題を全て解く、
・商法は、LECオプション講座のテキストを読み返した上で演習問題を全て解く、
・記述対策として突破塾の憲法、民法、行政法の問題を全て解く、
・受験した3回の公開模試の問題を全て復習する、
・行政法3法を読み込む、
・以上の勉強を、毎日、朝から夕方(9:00〜18:00)までの時間で行い、夜(20:00〜24:00)は、絞り込みをかけた範囲の一般知識のテキストを読みなおす。

 こうした計画を立ててはみたものの、初めから、いくら休暇中とはいえ全てをこなすのは無理ではないかと思っていました。しかし、この1週間、ほぼ当初計画通りに勉強をこなすことができました。
(このころになると、何度もの繰り返しによって、過去問を解くスピードが勉強開始当初に比べて格段に速くなっていたためと思います。)
 さて、リフレッシュ休暇も終わり、いよいよ行政書士本試が明日に迫りました。1週間の休暇中に予定通りの勉強をこなすことが出来た、明日は自信をもって試験に臨めるはず、と考えていたのですが・・・。

(9)本試当日
@行政書士試験が始まるまで
 その日は目を覚ますと同時に重苦しいものを感じました。「とうとうこの日が来たか、まだ当分来なければ良かったのに」と思いました。
 予め試験当日の朝に読むことにしていたLECで公開模試のときにもらったチェックポイントを読み始めました。しかし、緊張のあまり、目は文字を追えども頭には何も入ってきません。2時間余り、そうした状態で机に向っていましたが、仕方がないので少し早めに家を出ることにしました。
(いつもの習性にしたがい眠っていた妻は、私が出かけていくときに目を覚まし、布団にくるまったまま「頑張ってネ〜」と手を振りました。「こういうのを本当の愚妻というんだろうな」と思いました。)
 家を出て最寄りの小岩駅に行く間にも、緊張感が高まっていきます。右手と右足が一緒に前に出る感じ、歩行までぎくしゃくしてきました。そして駅に着いて、私はSUICAの入った財布を家に忘れてきたことに気付きあわてました。
 タクシーで往復して財布を取ってきた私は、駅に戻った時、思わず苦笑していました。
 「こんなことで合格できるわけがないだろう、しっかりしろ」と、狼狽する私を冷静な目で励ますもう一人の私がいました。この失態のおかげで私は少し自分を取り戻すことができたようです。そして、こう思いました。
 「水道橋に行かなくちゃ。」客観的な視線で自らを励ます時間的余裕は、そのときの私には残されていませんでした。
 無事、集合時刻の12時30分ぴったりに試験会場に到着、すでに他の受験生はみな席に着いていました。大きい教室だったので受験生の多さに圧倒される思いで着席しました。

 あの日は、なぜ、あんなに緊張したのだろう、4月からほぼ順調に勉強をこなして、公開模試の点数も3回とも合格の基準点を超えていた、そして幸運にも試験直前に1週間の休みがとれて朝から夜中まで勉強できた、もっと、自信を持って試験に臨めるはずだったのに。私は試験が終わってから、何度かそんなことを考えました。
 そして、思ったのは、受験生というのは、勉強すればするほど緊張するものなんじゃないかということです。今年はあまり勉強しなかったから来年の下見という程度の気持ちで受験する人は緊張感などしないと思います。一生懸命に勉強した人ほど、今年は何としても合格しなければと思い、さらに、今年合格できなければあきらめるしかない、とまで思いつめてしまうのではないでしょうか。
 とすれば、これに対処するには、以下のように考えて開き直るしかないのではないでしょうか。

・合格を目指す人(すなわち受験生のほとんど)はみな同じように緊張している、緊張しているのは決して自分だけではない、
・試験範囲が広範に渡り、かつ一般知識の足切りがある以上、合格できるかで否かは運にも左右される、仮に今年不合格だったからといって、それは自分の能力が劣るせいでも、努力が足りなかったせいでもない、
・行政書士試験は逃げない、今年駄目でも来年がある、
(本試当日、定期券と財布を忘れて駅まで行くことで自分を取り戻す、というのは危険です。)

A試験開始
 私はいつも一問目から順に問題を解いていくことにしていました。法令択一は途中にいくつか答えが不安な問題があったのですが、一度マークしたら決して戻らないということを、自分にいいきかせて解き進めました。予定通り、法令択一の40問を1時間40分で終え、記述は時間をかけて解き、文章理解の問題に少してこずり、ほぼ、3時間を使い切って60問を解き終えました。全力を出し切れたという満足感がありました。

B自己採点
 その夜の突破塾やLECの解答速報による自己採点の結果は、
 法令択一124点(31問正解)、多肢選択20点、一般知識28点(7問正解)と、記述を除いても172点という得点でした。
 記述で8点あれば良いのだから、たぶん合格できているだろうと思うことにしましたが、記述1問目(行政法の基本的な問題)は中途半端な、2問目、3問目の民法の問題は「当たらずといえど遠からず」ないし「当たらず遠い」)といった解答であったため、1月終わりの合格発表までは、とても不安でした。

(10)合格発表まで
 行政書士試験が終わったら、行政書士の実務に関する勉強を少し始めてみようかと思っていました。しかし、合格の確信が持てなかったため、そういう気にもなれず、合格発表までの2か月半ほどは、とても不安な気分で過ごしました。
(というわけで、実務の勉強といっても「カバチタレ」10巻を読んだだけで終わりました。)
 1月29日に合否の通知を受け取ったのですが、結果を見るのが怖い気がしたので、やっと開けてみたのは2月3日のこととなります。「合格」の文字を目にしたとき「うれしい」というよりは、ほっと肩の荷が下りたように感じたことを覚えています。
 合計得点は192点、内訳は、法令択一132点、多肢選択20点、記述12点、一般知識28点でした。
(記述の得点をとても気にしていたのですが、記述を除いても180点をクリアできていました。択一のマークミス等も気になっていたのですが、法令択一が自己採点を上回る132点でした。良い方向に転んでくれていたようです。)

4. まとめ(その他今振り返って勉強法について考えることなど)
(1)一番大切なのは繰り返し復習すること
 私はこの1年で、何度突破塾通信講座のテキストと過去問マスターを繰り返したのかもはや計算できません。特に民法のテキストなど頁数が多いので、幾度繰り返しても最初に戻った時は勉強したことすら忘れている箇所さえありました。ようやく、ある程度記憶が定着してきたと思えたのは、3度目か4度目くらいのときだったように思います。
 結局、この試験に合格するためにはしつこく繰り返すことに尽きる、と思います

(2)手を広げすぎないこと/深く追求しすぎないこと
 私の勉強のアイテムは、基本的には突破塾通信講座のCD/テキストと東京法経出版の過去問マスターに尽きるといってもよいと思います。(その他に利用したものとして、国家U種・地方公務員上級向けLECウォーク問、LECオプション講座「新会社法集中特訓講座」、
 LEC公開模試がありますが、これらはあくまで補足のためのものです。また、法律理論の本などは何も読んでいません。
 また、私は積極的に質問することはしなかったのですが、突破塾の掲示板をときどき拝見して「なるほど、それは自分も疑問に思う」という質問と解答は参考とさせて頂いていました。しかし、余り細かい知識を問うているように思う質問については「皆さん、よく勉強されている」と少し焦りを感じることもありましたが、あえて「そこまで追求しなくても合格できる」と考えて気にしないことにしていました。
 試験範囲が広範に及ぶため、手を広げすぎたり、一つの論点をあまり深く追求しようとする姿勢は、却って合格を妨げるように思います。

(3)条文の読み方について
 私が条文を丁寧に読んだといえるのは、憲法、行政法3法、国家賠償法、個人情報保護法くらいです。これらについては、ネットからダウンロードして印刷したものを読み込んでいました。民法については、特に基本的な条文と講義の中で突破先生にこの条文は目を通しておいて下さい、とのご指摘のあった条文以外は読んでもいません。また、地方自治法も、突破塾通信講座のテキストに掲載された条文の中で講義で目を通すようご指摘のあった条文以外は読んでいません。したがって行政書士試験用の六法は持ってはいたのですが、あまり使っていません。民法や地方自治法など条文の数が多いため、勉強を進める中で関連する法律の条文の一つ一つにあたるのは時間がかかりすぎると思います。突破塾通信講座のテキストを繰り返し復習しておけば合格できるはずであり、却って、条文に全て目を通しておかないと気がすまないという姿勢は合格を遠ざけるように思います。

(4)一般知識の学習方法について
  一般知識は、足きりがあるため、また、範囲が非常に広いため、どの程度勉強するかは最も悩ましいところです。
 まず、ほぼ確実に出題される文章理解と個人情報保護法の問題を確実に得点できるようにすることが必要と思います。その他の部分について、私は突破塾通信講座のテキストを2度ほど繰り返した後、予備校などの情報を基に勉強する範囲を幾つかの項目に絞り込み、その項目だけ復習するようにしました。何も勉強しなければ不安が募りますし、かといって絞り込むことをせず全体を復習している余裕はなかったからです。

(5)記述対策について
  過去2年の出題を見ると、民法の問題はかなり細かい知識を問う内容であり、記述を意識するあまり、そのためだけの勉強をすることは、基本的な勉強をおろそかなものにしかねないと思います。それよりも、例え、記述で多少失敗しても合格できるだけの得点が得られるような勉強をした方が良いと思います。したがって、記述対策としては、私は突破塾の記述問題集を何度か繰り返して解けば充分だと思います。
 そして、何より大切なことは、本試にあっては決してあきらめないということ。分からないと思っても、何とか解答らしきものを捻りだし、当たらずといえど遠からず程度のことを必ず書きつけることが重要と思います。

5.そして最後に
 突破のご指導がなかったら、私の2回目の受験での合格はなかったと思っています。
 温かく合格まで導いて頂き、本当に感謝しております。
 先に、私は突破塾の通信講座にATMから10倍の金額を振り込んでしまったことを書きました。今、私は、あるいは、あれが突破塾通信講座の価値に対する正当な評価だったのではないか、とさえ考えています。(といって、「そういうことなら、また、お振込み下さい」といわれても困るのですが・・・。)

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